ミネルヴィニ本を読んで安易に集中投資するな

いきなり結論

投資家・トレーダーの皆様こんにちは。

ミネルヴィニ本(通称「ヴィニ本」)、怒涛の499円セールがありました。見事、底値買いされた皆さん、お元気でしょうか?

私のような真のミネルヴィニ派は、「本も高値で買う」という徹底ぶりで、高値で買いました。

さて、この記事の要点をお伝えしますと、

・「ミネルヴィニ本を読むと、4銘柄程度の集中投資を推奨しているから、僕も集中投資をしよう」と、安易に考えるのはやめた方がいい。

・その理由は、トレードのスタイルは複雑なシステムとして成り立っているのであって、一要素だけ取り入れても全体のバランスが取れないから

となります。詳しく説明しましょう。

「集中投資だからハイリスク」なのか

ミネルヴィニ氏は、以下の通り述べています。

ポートフォリオの大きさとリスク許容度にもよるが、持ち株は通常、4~6銘柄にすべきだ。

「ミネルヴィニの成長株投資法」より

一般的にリスクを下げるために銘柄数は分散しろ、と言われるのに対して、4~6というのは集中しすぎとも見えます。これを見て

「よし、じゃあ俺も4~6銘柄に絞ろうかな」

と安易に考えるのはやめた方がいいと思います。理由は、「安易にここだけ真似をすると、リスクが高くなりすぎるから」です。ミネルヴィニ氏は、リスクをむしろ抑えることに専心しています。リスクの抑え方は、分散投資だけではないのです。

リスクを抑える、分散投資以外の手法

私が知っている範囲では、ミネルヴィニ氏を含む、多くのブレイクアウトトレーダーは、以下のような手法でリスクを抑えています。(ミネルヴィニ氏が使っていない手法も含まれると思います)

  • トレードシステム
    • ボラティリティが高いタイミングでは買いに入らない
    • 出来高が減少したタイミングで買いに入る
    • サポートラインのすぐ上で買いに入ることで下落リスクを抑える
    • ペニー株、バイオ株など、ニュースでの大きな下落がありうる銘柄を避ける
    • 決算をまたいでポジションを持たない。もしくは、ポジションを縮小する。(「成長株投資の神」を見ると、トレーダーによってそれぞれで面白い)
    • 保有期間を、サポートラインからの上昇の短期間に絞る。
    • 買い増す時は、もみ合ってベースができた後、それをサポートラインにするように買い増す
    • etc…
  • 資金管理
    • -8%等で損切を徹底する
    • ポートフォリオ全体の2%以下程度しか1ポジションで損失を被らないように、損切ラインを引く
    • 試し買いからのピラミッディングで、うまくいく銘柄に資金を寄せたり、含み益をクッションにしてポジションを大きくする
    • ナンピンをしない
    • トレイリングストップ的に損切ラインを引き上げる
    • 利を伸ばす場合でも、半分利食いすることで、損失を抑える
    • etc…

ちょっと勉強した程度の私でも、これくらいは知っているので、もっといろいろあるでしょう。

システム全体がバランスをとって成立している

上記のような、さまざまな方法で、ブレイクアウトトレーダーは、リスクを抑えに行っています。トレード手法のリスクの大きさは、銘柄の分散数のような1要素だけを見て判断するべきではなく、システム全体、トータルでどうか?で見るべきだと思います。

こうしたリスク軽減策と集中投資を組み合わせることで、攻守のバランスをとっていると言えるでしょう。

この背景を理解せずに、今、自分が使っているシステムに、「集中投資」という要素だけを取り入れて上手くいくでしょうか?手法によっては、過剰なリスクを取るような組み合わせになるかもしれません。

例えば、決算またぎ上等、変動が大きい株を、長期保有して、損切しないが、しっかり分散することで上手くやっていた長期投資家がいたとします。彼が集中投資に切り替えたらどうなるでしょうか?分散投資によって抑えられていたリスクが、噴出する結果になるのでは?と思います。

余談ですが、麻雀、ゲーム、スポーツ、なんでもそうだと思うのですが、システム全体として整合性が取れているのであって、成功者の一部の要素だけを抜き出してもうまくいきません。

例えば、自分が昔やっていたネット麻雀の世界で、めちゃくちゃ鳴くタイプの最強クラスの打ち手が居ました。彼を見て、「鳴けば勝てるんだ」と思って真似をしても勝てません。なぜなら彼には、非常に高度な読みの技術があって、それのおかげで攻守のバランスをとっていたからです。つまり、攻撃的な鳴きによって下がる守備力を、高度な読みの技術でカバーしていたのです。人の強みはシステム全体で生まれるものであり、一部一部を切り取っても、その強さは再現できないものなのです。

おわりに

ということで、結論としては、

・ミネルヴィニ氏の手法は、集中投資をしつつ、他の部分でリスクを抑えているよ

・優位性は絶妙なバランスの上に成り立っているので、安易に要素を抜き出して真似をすると、バランスが崩れて痛い目を見るよ

ということになります。やるなら、徹底的に成功者のスタイルを全部真似するか、しっかりと理解した上で、自分のスタイルを構築していくか、のどちらかではないかな?と思います。

以上です。Twitterをやっております。よろしくお願いします。

成長株投資の神 (ウィザードブックシリーズ)

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。