リスク/リターンがよいポイントとは?
株の勉強を始めたての頃、投資本でよく出てくる「リスクに対してリターンがよい」の意味が全く分からなかった。「そんなんないやろ!」と直観的には思った。でも、それはあるよね、こういう理由だよね、という話をする。前提とするのはテクニカル分析だ。(ファンダはわからない)
テクニカル分析は「リスクに対してリターンがよい」場所を探して、それを何度も仕留めようとする試みだと言える。なので、この話は、テクニカル分析の優位性の根本、みたいな部分であって、ここの理解は大事だと思っている。
いくつか本を読む限り、「リスクに対してリターンがよい」は大きくわけて2種類あるようだ。
1.ブレイクアウト戦略での支持線の上 例. ミネルヴィニ氏
2.回帰狙い戦略での乖離が大きくなった点 例. エルダー氏
それぞれ説明する。
1.ブレイクアウト戦略での支持線の上
赤丸の場所がリスク/リターン比が良い場所と言われる。俗にいうサポートラインの上、ブレイクした直後である。これがリスクが低いと言われる理由は、主に以下の2点に大別されるようだ。
・サポートが「もっと買っておけばよかった」「よし買い戻そう」と思う人が多いゾーンだから
図解するとこんな感じだ。
買いの圧力があるので、比較的この下に下がりにくいのだ。よってリスクは比較的小さくなり、リスク/リターン比が良くなる。補足だが、このすぐ上にレジスタンスラインがないことも重要だ。近いと越えづらい分、リターンが下がるからだ。
・ボラティリティの低下を伴う買い集めの兆候は、握力の弱い買い手から強い買い手への移行を示すので、握力が強いホルダーが多いから
何度も株価が上下しつつ、変動が小さくなっていくのは、弱い買い手が下げで振り落とされて、機関投資家のような確信して買っている買い手に移っていくことを示している。出来高が減っているとなおよい(もう売る人が残っていないことを示すから)。
もっと言えば、握力が強い買い手が多いので、売る人が少なく、少しの買い需要で上に上がりやすいともいわれる。リターンも高いのだ。
この手のトレード手法を使うのは、ミネルヴィニ, オニールといったブレイクアウトトレーダーだ。
2.回帰狙い戦略での乖離が大きくなった点
これはブレイクアウトトレードではなく、バリュートレードと呼ばれたりする手法で用いられる。図の赤丸の部分だ。
移動平均線を中心として乖離した場所だ。これが、リスクが低いと言われる理由は、大きくは以下の2点が言われることが多いと思う。
・本質的な価値から価格は乖離しすぎない
・大衆は行き過ぎて戻るを繰り返す
移動平均線を本質的な価値のゾーンと見て、それを中心にゴムのように行ったり来たりする様子を見てトレードする。赤丸の部分のように、移動平均線から乖離すると、「大衆が行き過ぎている」状態であり、「本質的な価値から乖離した熱狂」であるため、それ以上離れる可能性は低いという読みだ。
これを使っている人には、アレキサンダー・エルダーがいる。ザ・トレーディングいいですよ。
ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理
おわりに
色々本を読んで、こんな分類、こんな理由に行きつくかなぁと思っている。他にも優位性の源みたいなのはあるかもしれない。もしあればTwitterで教えていただけるとありがたいです。
Twitterやっています。よろしくお願いします。
「市場は下げる口実を探していた」っていう考え方が好き。
大事なのは、「下げる口実を探している状態」に気づいて、その確率の偏りに張ることだと思う。
一方で「下げる口実となるイベントを1点読みする」のは、みんなが思ってるほど大事じゃないと思う。— ぶるいぬ (@blblinin) December 23, 2020
アクティブ運用してて損すると、なまじ「なんとかできたかも…」感があるので辛いよね?
インデックス投資だと損しても「俺にはどうしようもできん」と比較的辛くない。
もう一歩踏みこんで考えると、アクティブ運用でも、本来は、このインデックス投資の時のメンタルにたどり着くべきなんだろうなと。— ぶるいぬ (@blblinin) December 22, 2020