全粒粉に無知を暴かれた話

昼につけめんをすすっていた。

ふと横を見ると、「こだわりの全粒粉を使っています!おいしいです!」と書いてあった。「へー全粒粉つかってるんだ。おいしそう。」と一瞬思ったが、その時に僕は気づいてしまった。

僕は全粒粉のことを何も知らない。

全粒粉が何なのか、どうやってつくられたのか全く知らない。どういう粉なのか、粒なのか、「全」とは何の全てなのか。全く知らないのに、僕は「おいしそう」と思ってしまった。

絶望に浸っていた。その時ふと横をみると、「さらに!九条ねぎを使っています!」と書いてあった。へー九条ねぎおいしそう・・・。って九条ねぎって何か知らない!どうやって作られたのか、九条がどこにあるのか、どういう土地なのか、まったく知らない!全粒粉が何かしらない上に、さらに!九条ねぎとは何かしらない!でもおいしそうって思ってしまった!ぼくが食べているこれは!一体何なんだ!

そんなこんなで、全粒粉に、「お前は無知だ」と教えてもらった。いかにわかったふりをして生きているかを教えてもらった。そもそも、底の底まで理解しようとするには、この世界は難しすぎるのだ。全粒粉は何か、九条ねぎとは何か、ラーメンとは何か。ひとつひとつの無知に必死に向き合っていたら、人生が終わってしまう。一歩前に歩くことすらできない。だから、ちょうどいいところでわかった気になって、先に進んでいるんだろう。そうしないと遠くまでいけないから。

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