前回記事「なぜドラクエのパーティは4人なのか?」を読んでいない方は、そちらを先にご覧ください。読まないと、たぶん何を言っているかわからないと思います。
さて、突然ですが、あなたはドラクエの勇者です。ここで、ドラクエで全滅したときのことを考えてみましょう。
チームは、勇者、攻撃が強い武闘家、回復が得意な僧侶の3人だとします。勇者は戦いに負けたメンバーに、なんて声をかけるでしょうか?
例えば、僧侶に対して、「なんでもっと強く殴らないんだよ!」と、僧侶の筋力不足を叱るでしょうか?あるいは、武闘家に「もっと魔法使って回復しろよ!」と、武闘家が回復魔法を覚えていないことを責めるでしょうか?
いや、言いませんよね。少なくとも、そういう怒り方をする勇者は、冒険に向いていません。愚かな勇者と言えそうです。だって、武闘家は攻撃に、僧侶は回復に注力するのがドラクエですよね。
つまり、チームとしてあるべき姿は、
・回復が得意な僧侶は、チームの状態を見ながら、回復に徹する
・攻撃が得意な武闘家は、得意な攻撃に専念する
という状態でしょう。その方が、チームとしては効率がいいはずです。皆が、得意なことをやって、弱点を補いあい、結果として、チームとして強い。これを目指すべきです。
ということは、ここでの勇者の役割は、大きく二つです。
・チームの全員が、得意なことに専念できるように役割を振ること。
(例. 勇者「僧侶は回復魔法を頼む!」)
・その結果チームとしていい結果がでるように、バランスをとる
(例. 勇者「次の敵は攻撃が強いから、防御魔法が得意なアイツをメンバーに入れよう」)
さてここまで、いかがでしょうか。ドラクエで例えると、「そりゃそうだ」「当たり前だ」と思う人が多いのではないでしょうか。
でもよく考えると、この「愚かな勇者」のようなことを、自分の仕事では、してしまっている人が多いのではないか、と思いました。
例えば私はモノをつくる仕事をしていますが、
「スピードが長所であるAさんが、仕事が雑なのを責めた」とか、
「丁寧な仕事っぷりが長所のBさんが、仕事が遅いのを責めた」
経験があります。
が、これは間違っていました。むしろ、スピードが長所の人には、それを最大限生かせる仕事を振るべきですし、その人だけでは足りない丁寧さは、他の得意な人で補うべきでした。
営業でも、接客業でも、なんでも、チームでやることは、同じような仕組みなんじゃないか?と思いました。そして、どんな仕事でも、チームのメンバーに向いていない役割をお願いしたり、偏ったチームになっていたら、もうその時点で上手くいかないんだろうな、と思います。
そう、戦いに勝てるかどうかは、ルイーダの酒場で、仲間を選んでいるときにもう決まっているのです。
おおゆうしゃよ!
のうきにおくれるとは なさけない・・・