剣を持った老婆の話

剣を持った老婆を見た。

普段ふざけたことばかり書いていると、まじめに話をしても、聞いてもらえないことがある。笑いを取りたい人は、多少誇張をするものだ。私もその部類に入る。おそらく、芸人が話す滑らない話は、2割の事実と8割の誇張でできている。別に悪いとは思わない。2割の事実が本質で、それをわかりやすく、面白く伝えようとすると、自然と8割の誇張が乗ってくる。「ばぁーっときてぇ」と芸人が激しい身振り手振りをして話すとき、実際「ばぁーっ」とは来ない。多分音はしていない。無音で来ている。身振りもない。直立不動で、真顔で見ていたはずだ。それでも、「ばぁーっときてぇ、ほんで…」と話してしまうのだ。そう、こういう風に、普段から誇張をして話をするタイプの人間(繰り返すが私もそうである)の話は、話半分で聞かれてしまう。だから今日は、本当に、淡々と、起きたことを話したい。事実を正確に表現させてもらおう。

剣を持った老婆を見た。日本刀ではなく、勇者が持っているタイプ、両刃のタイプの剣を持った老婆を見た。性格には、鞘に入っていたので、鞘に入った剣を持った老婆を見た。傘も持っていた。傘と剣を持った老婆を見た。つまり二刀流の老婆を見た。

書いてみて思ったが、事実を淡々と描くと、面白い話でも面白くないのだと再認識した。でも本当に、剣を持った老婆が、エスカレーターを登っていくのを私は見た。本当だ。

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