30歳前後で潰れる会社員問題について

30歳前後で、仕事の精神的負荷で潰れてしまう会社員はそれなりにいるみたいだ。根っからタフな人以外で、一度も潰れずに、ハードワークをうまく乗り切れる人は少ない気がしている。

この現象はなぜ起きるのだろう?僕は「精神的な負担で限界を迎える経験が、多くの人にとって初めてだから」が根本原因ではないかと思う。初めての経験だから、うまく乗りこなすのが難しいのだ。

20代の若者で、逃げられない精神的なストレスを、長期間にわたって受け続けた経験がある人はほとんどいないと思う。一度コケたことがあれば、「自分の限界はこの辺りにあるんだな」「次からはその手前ぐらいでギブアップしよう」と、見当がつくのだけれど、そもそもコケたことがない。だから、限界がどこにあるのか、本人にすら理解できていない。しんどくてもそのまま走り続ける。結果として、体が動かなくなるなどの、分かりやすくダメになるまで気づけない。潰れてしまってから結果的に、ここが限界だったと初めて気づく、みたいな現象が発生する。

じゃあどうしたらいいのか?と言うといい案は思い浮かばない。負荷の低い仕事に就けばストレスは軽減されるだろうけど、キャリアであったり、捨てるものだってあるわけで。特に若い頃は、厳しくても乗り越えないといけない部分も確かにあって、安易に自らブレーキをかけても良くないのかもしれない。

などなど、考えていくと、ある程度上を目指して頑張ろうとした時に、限界まで働いてみると言う経験は、避けて通れないのでは、と思った。ただ、せめて、一度潰れてしまうとしても、致命的なダメージ(命を失う、長期的な影響が残るなど)を受けない形で、うまく潰れられたら、とは思う。

つまり「潰れないように振る舞う」よりも、「安全に潰れる」とか「潰れた後にうまく立ち直る」、みたいなアプローチの方が、筋が良いように思う。

実際、潰れた後でも、なんとか上手くやっている人も結構いる。一度潰れたことで知恵がつく。「ここから先は危険領域で、踏み込むと潰れそうなので避けよう」とか「この種類の役割は自分はしんどくなってしまうので引き受けない」などの、身の守り方を覚えて、なんとかやっている人も何人か見たことがある。

求められたことに「はいできます!」と突っ込んでいくのが若手のやり方だとしたら、できないものは断ってでも身を守りながら、できる領域で長期的にアウトプットを出し続けるのが、中堅の責任の取り方なのかもなぁ、と思ったりした。

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