ミネルヴィニの矛盾
こんにちは。「ミネルヴィニ検定3級」保持者のぶるいぬです。
今日は、ミネルヴィニ氏の「全体観と個別観の矛盾」について検討してみたいと思います。(以降、敬意を込めてミネルヴィニアニキ、略して「ヴィニキ」と表記します)
どういうことか?
ヴィニキは、よく以下のような主張をします。
「俺は持ってるそれぞれの株に導いてもらうんや!」
「市場全体のインジケーターとかいらんのや!結局個別の株の動き次第なんや!」
※参考までに、それっぽいつぶやきを貼っておきます。
I let the action in individual stocks guide me.
— Mark Minervini (@markminervini) December 28, 2020
No indicators needed. Those market calls are made mostly on the action of individual stocks.
— Mark Minervini (@markminervini) December 6, 2020
このように、ヴィニキは、1つ1つの株の値動きを非常に重視しています。
しかし一方で、市場全体の動きから、暴落前にキャッシュポジションを厚くしたり、天井でショートを仕掛けてヘッジしたり、という技も繰り出してきます。
最近だと、FFTYの過熱ぶりや、他の市場全体の強気のセンチメントを読んで、「高騰したらそこで売り抜けろ」などと警戒モードに入っていました。
これは過去の記事でも紹介した通りです。
※以下は警戒モードに入れと言うつぶやき
If we are lucky enough to get a market melt up from here… sell into it! Here's a short video why >>> https://t.co/Nc3yLHZyAy
Get my market commentary and select stock picks in real time. https://t.co/7NiHKuPACd pic.twitter.com/YdFnP3dplC
— Mark Minervini (@markminervini) January 21, 2021
このように、個別の株の動きを重視すると言いつつ、市場全体の読みも入れてくるという、一見矛盾したつぶやきをしています。
ヴィニキは、「個別の株の動きを重視する」という方針と「市場全体の読み」の、この全体と個別の矛盾を、どのように解決、調和させているのでしょうか?
全体100%と個別100%
少し話を変えます。
私自身、この「全体観と個別」の問題には苦戦してきました。
全体観から警戒度を上げて、ひとまず売却して様子見…とすると上昇相場において行かれ、逆に全て個別株に任せていると、暴落が直撃する、というありさまでした。
これらは言ってみれば、「全体観100%の判断」と「個別観100%の判断」と言えるでしょう。全体と個別のどちらかが完全に優位に立った意思決定と言えます。これだと経験的にはうまくいきませんでした。
つぶやきからヒント
では、ヴィニキはどうしているのでしょうか?
最近、このあたりの考え方がうっすらわかるツイートをしてくれているので紹介します。
1つ目
「市場が過熱して危ななってきたら、ワイのリスク許容度はどんどん小さなって、攻めの姿勢で防御するで!損切はタイトに!利食いは早く!動かんだけでタイムストップで売ることもあるで!」(意訳)
As the market gets frothy my tolerance for risk gets less and less and my defense is more offense. My stops are tighter, I take profits sooner, back stop my gains and protect my breakeven point sooner. I sometimes even sell stocks just because they don't move on cue; a time stop. pic.twitter.com/IeghtaTcEb
— Mark Minervini (@markminervini) January 22, 2021
2つ目
「短期的には、市場はどんどんリスクが高まってるわ!積極的になる時やないで。むしろ伸びきった銘柄は、強さに売り抜けて利益を手にするときや!」(意訳)
In the near term I think the market is looking increasingly risky. It's not a time to get aggressive, rather a time to sell extended names into strength and nail down decent profits.
— Mark Minervini (@markminervini) January 25, 2021
どうでしょうか。大体見えてきたのではないでしょうか。
全体観は個別の調整弁では?
以上のつぶやきから考察すると、おそらくですがヴィニキは、
「個別の動きがベースだが、売却ラインを全体観に基づいて動かしている」
のではないか?と推測されます。
「市場が過熱しているから、即全部売却だ!」のような判断はしていないのだと思います。あくまでも、個別の株の値動きに任せるのですが、ただその判断するラインを動かしているのではないでしょうか。
イメージ図で説明します。
売りを2種類に分けて説明します。下がってきたときに売る「防御的売り」と、上がってきたときに売る「攻撃的売り」です。
タイミングの取り方は色々あるとは思いますが、こんな感じでしょう。
で、市場の読みで警戒感が上がった場合は、このラインを、平場の基準よりも、よりタイトに動かすのではないでしょうか。防御的な売りの場合は引き上げて、攻撃的な売りの場合は、より早いタイミングで売り抜けます。
こう考えると、あくまでの個別の動きに任せながら、かつ、全体観も反映させることができます。上昇すればタイトとは言え、上昇分をとれますし、下落しても早めにカットすることで直撃を避けられます。早く売り抜けることによって、直撃を回避することもありえます。
決して、個別に任せきるわけではなく、かといって、全体観の読みで一気に舵を切るわけでもなく、というやり方に見えます。
とまあ、こんな感じで、全体観と個別とを、調和させているのではないでしょうか。多分。
おわりに
ということで、ヴィニキの全体観と個別観について見て見ました。売り時は本当に難しくて、私も今、最大の課題だと思っているところです。また色々考えたいと思います。
以上です。
Twitterをやっています。よろしくお願いします。
爆益を出したときに「完全なる死が訪れた」とかつぶやくあまのじゃくな人がいるせいで、どんな爆損ツイートみてもどうせ爆益なんやろと思ってしまう。
結果、視界からは負け犬は消えて、世界は爆益で満ち溢れてしまった。そう、僕だけを残して…。— ぶるいぬ (@blblinin) January 26, 2021
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