短編推理小説「隣の郵便受け」

~推理編~

僕の思考は停止した。

視線の先には、106号室の郵便受けがあった。そこには、厚みのある茶封筒が斜めに差し込まれていた。そして、その隣の105号室の郵便受けにも、全く同じ、同じサイズの茶封筒が、同じ角度で差し込まれていたのだ。

「どうして同じ封筒が…?あ…!」

ヘラヘラと緩み切った口元は、一気に引き締まった。全てを理解した瞬間、僕は走り出していた。

106号室のドアの前。僕はそこから駆け出した。郵便受けが並んでいるところまでは5m程度だった。パジャマとクロックス姿の僕は、ドタバタと自分の郵便受けに向かって全力疾走をした。

封筒に飛びつくと、それを抜き取って抱え込んだ。周囲を確認しながらまたも走り、僕は自分の部屋へと雪崩れ込んだのだった。

「…こんなことがあっていいのか…あぶなかった…」

息を整えながら僕はつぶやいた。楽しみにしていた一日が、台無しになるところだった。

危なかったとはいえ、惨事は避けられたのだ。早起きした自分を褒めたいと思った。僕は「狩る側」だったからだ。

少しずつ心が落ち着いていく。ホッとしたのも束の間、また不安が襲ってきた。思考がクリアになるにつれ、他の可能性が思い浮かんできた。一番だった保証はないのだ。

見ただろう、あのズラっと並んだ郵便受けを。

でも、もしかしたら杞憂かもしれない。不安な気持ちを抑えながら、僕は手に取った封筒を眺めた。

「あぁ、やっぱり、そうだよな」

中身を見て僕は、笑いがこらえきれなくなった。

~推理編ここまで~

以下スクロールすると、解決編があります。「僕」に何が起きたか、考えてから読んでいただきたいです。

~解決編~

封筒の中身はこれだった。僕は予約していたので、発売日に届いたのだった。そろそろとなりのアイツも、ウキウキした気分で目覚めるのだろう。

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実話です。

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