本の概要
以下の本の所感・要約を記載します。
ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理
所感
すごく良かった。
分厚い一冊で、メンタル面、トレーディングシステム、資金管理、記録管理と、一通りについて触れられている。テクニカルトレーダーを目指す人は、キャリアの早い段階で読んでおくといいのでは。
メンタル・資金管理・記録管理については、どんな手法を使っていても参考になる部分が多いと思う。特に、資金管理で賭け金の設定方法に迷っている場合に、一つの手法として参考になるかも。
また、トレードシステムが、1式紹介されているのはいいと思う。
僕自身はミネルヴィニ系のブレイクアウト狙いのトレードスタイルでやっているけれど、この人のトレード手法はその真逆だと思う。トレンドなら押し目で買うし、保ちあいなら過熱したところで逆張りするスタイル。で、真逆だからこそ、相互補完的に知っておくべきだと思った。
ブレイクアウトが収束した状態からの乖離を狙う戦略だとしたら、このエルダーさんの手法はどちらかというと平均への回帰を狙うような手法で、それが”プロのやり方”だと言っている。
あとは、トレード手法を古典的なコンピュータいらずのチャート分析と、コンピュータ必須の現代的テクニカル手法に大別した場合、後者の現代的手法について、基礎から一通り紹介されている点もいいと思う。MACD, RSI, ストキャスティクスなど、あのあたりを一通り知るにも便利だと思う。
各章の要約
※Twitterのスレッドを見るほうが見やすいかもしれない。
#投資本要約 ザ・トレーディング イントロダクション
トレーディングはマイナスサムゲーム。売買手数料、スリッページ、スプレッドが資金を削り、業界がお金を吸い取る。
売買手数料にはこだわれ。買いは指値で(売りは成行で)。あまり頻繁に売買シグナルを出さないトレーディングシステムを設計しろ— ぶるいぬ (@blblinin) October 20, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第1章 個人の心理
・勝者と敗者を分けるのは秘訣でも知性でもない
・敗者の本質的な問題はリスク管理のお粗末さ
・アルコール依存症が如く損失依存症になりがち。自己破壊性向を制御しビジネスをしろ
・感情を排して知性を動員しろ
・自己分析に時間をかけろ— ぶるいぬ (@blblinin) October 21, 2020
"ザ・トレーディング"の興味深い指摘。P.39より
”自動のトレーディングシステムでは勝ち続けることはできません。"
"航空会社は自動操縦装置があるにもかかわらず、パイロットに高い給料を支払います。それは、人間だけが不測の事態に対処することができるからです。"
— ぶるいぬ (@blblinin) October 21, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第2章 集団の心理
・群衆は強力、トレンドには逆らうな
・トレーディングとは他人からお金を奪おうとする行為
・個人トレーダーにだけ最高の機会を待つ自由がある
・群衆から独立して思考する
・テクニカル分析は集団心理を研究するもの
・予想ではなく問題を処理する— ぶるいぬ (@blblinin) October 22, 2020
「何十万ものチャートを見てきた後、マーケットは斜めの線を理解しないという結論にいたりました。マーケットは価格の水準を覚えています。このため、水平の線で描くサポートやレジスタンスには意味があります。」
ザ・トレーディングP.118より— ぶるいぬ (@blblinin) October 26, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第3章 古典的チャート分析
・古典的チャート分析は主観的
・×斜めの線 ○水平線
・始値はアマの終値はプロの意見。
・人間は過去の価格を覚えており、これがサポートやレジスタンスになる
・サポートラインは安値ではなく密集しているゾーンに引く
・カンガルーテイル pic.twitter.com/Fxxp9gNmZ3— ぶるいぬ (@blblinin) October 26, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第9章 リスク管理
・トレードの最中に金勘定をするな
・個別の勝ち負けに感情的になるな
・買った瞬間から批判的能力が低下する
・期待値マイナスのシステムはリスク管理では補えない
・個人トレーダーは自分がリスクマネージャーになれ
・2%ルールと6%ルールを守れ pic.twitter.com/ATjxlSQBAH— ぶるいぬ (@blblinin) October 29, 2020
#投資本感想
トレードアプガーというアイデアが良かった。自分のトレード戦略の核となる5つの基準を質問の形で用意しておき、トレード前に、そのアイデアが基準を満たすかをチェックするというもの。確かに衝動的なトレードを抑えて、客観的なトレードができる気がする。— ぶるいぬ (@blblinin) October 29, 2020
※以下のMACDの感想は、MACDが乖離を見せているときにのチャートが、偶然ヘッドアンドショルダーの形になっていることを指したメモです。
#読書メモ
MACDを使った強気の乖離、弱気の乖離パターンって、ダブルトップ、ヘッドアンドショルダーあたりを、より客観的なMACDで表現したもの?— ぶるいぬ (@blblinin) November 5, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第5章 出来高と時間
出来高について
・敗者がトレンドを推進する。出来高増は敗者の供給、トレンド継続
・出来高の減少は敗者の供給低下、反転を示唆する
・恐怖は強いが短期間、欲は長期間続く
・出来高と価格に基づいたテクニカル指標を3つ紹介(画像参照) pic.twitter.com/lJyqccU2h1— ぶるいぬ (@blblinin) November 12, 2020
ザ・トレーディング PP.296-297 より
「トレンドは、買い手と売り手が争っている限り継続します。相場に対する見解が高いレベルで一致したときは、反転の前触れとなります。(中略)大多数の人が強気になる頃には、強気相場を支えるための充分な新しい買い手がもはや存在しないからです。」— ぶるいぬ (@blblinin) November 13, 2020
#投資本感想
トレード中に金勘定をするな、は印象的だなぁ。
外科医は手術中に「肝臓切った、これで100ドル分の仕事だ」とは思わない。手術中はやるべきことにだけ集中すると。トレードは、成果がお金なので、仕事そのものでなく金勘定に意識がすごく行きやすい。ここを分離するのは訓練が要りそう。
— ぶるいぬ (@blblinin) November 13, 2020
#投資本感想
エルダーのザ・トレーディングは、オニール・ミネルヴィニ的なブレイクアウト系の戦略に親しんでいる人が、アンチテーゼとして読んでおくといい気がする。・主観的分析↔︎客観的分析
・ブレイクアウト狙い↔︎平均回帰狙い
・低確率大勝ち狙い↔︎高確率小勝ち狙いと対照的。
— ぶるいぬ (@blblinin) November 18, 2020
#投資本要約
第4章では各種指標を紹介している。その一部を要約。
1.移動平均。
単純指数移動平均ではなく、反応が早い指数移動平均の利用を勧めている。トレンドの見極め、押しの見極めに使う。 pic.twitter.com/qfIX9fxD4Q— ぶるいぬ (@blblinin) November 18, 2020
#投資本要約 ザ・トレーディング 第7章 トレーディングシステム
今までの要素を組み合わせて、システムを構成。
1.トリプルスクリーン・トレーディングシステム
2.インパルスシステム
3.チャネル・トレーディングシステム
詳細は本書に一旦任せるとして…— ぶるいぬ (@blblinin) November 26, 2020