仕事の渡し方

自分のスキルの棚卸し記事です。

メンバーが仕事をやる。マネージャーは仕事を渡す。 と考えると、うまく仕事を渡すのが、マネージャーの腕の見せ所なのではと思ったりします。

昔先輩に教わった言葉があります。 「部下が必死に頑張れば、ギリギリ手が届くところにゴールをおいてあげるのが上司の仕事」 というものです。これは割と本質的な指摘だと思います。

ギリギリ手が届くところにゴールを置くことが、チームの成果を最大化するのは、当たり前のことのように思います。

ゴールを置く場所 短期的成果 長期的成果
近すぎる △(余力あり) ×(成長しない)
ギリギリ届く ○(本人の限界) ○(良い経験/自信)
遠すぎる ×(仕事の失敗) △(パニック/挫折)

ゴールが近すぎると、もっとできるはずなのにやらせていないので、目先の成果は小さくなります。成長しないので長期的な成果も増えていかないでしょう。 一方、遠すぎるゴール設定は、いわゆる「無茶振り」と言うやつです。仕事は失敗に終わり、目の前の短期的な成果は当然出ません。確かに、トライしたことで本人が成長して、巡り巡って長期的な成果につながる可能性はありますが、遠すぎる目標設定は、人をパニック・挫折に追いやる可能性も高いです。

これらに対して、ギリギリ手が届くところにゴールを設定すると、短期的な成果も、長期的な成果もえられます。本人の最大限の能力を引き出した成果を出しつつ、一番成長する訳ですから。

ですので、仕事の渡し方の設計スキルは、非常に重要なスキルだと私は思います。

ではそのギリギリ達成できるラインをどう見極めるか?というのは難しい話です。 大したことは言えません。ただ、当たり前ですが、「達成可能性 = 業務の難易度 × 担当者の能力」と分解すると、

  • 渡す業務の難易度を見極める
  • 担当者の能力を見極める

の両者が必要になりそうです。こう分解すると、「渡す本人がよくわかっていない仕事を、よく知らない人に渡す」というのは最悪のケースとなります。

マネージャー本人の力量(+周囲の有識者の見解)を持って業務の難易度を見極め、よく観察して理解した人に仕事を渡す。できるとしたらこんなところでしょうか。そういえば、「マネージャーは人をよく見ないといけない」という言葉も、合わせて昔教わりました。関連していますね。

ただ、上記の議論にも限界はありそうです。 これらの議論は「ある程度難易度が読める仕事を誰かに渡す」という前提の話でした。若手の育成のような状況ですね。難易度すら読めない、チャレンジングな仕事についてはなかなか難しそうです。まあ、そもそもそういう仕事は、「ギリギリ手が届くところにゴールを置いて成果を出す」なんて悠長な状況ではないので、深く考えなくてもいいように思いました。

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