転職と自己認識

転職を経験して、自分に対する理解が深まったように思う。僕は、向上心がなくて、怠惰な人間なのかしら、と思っていたけれど、世の中の平均的な人間と比べると全然そんなことないなぁ、とやっと分かった。今思うと、かなり大胆な勘違いをしていた気がする。
自分はどういう人間か?について、勘違いしてしまうのも無理はないと思う。
高校、大学、大学院、会社、と進学・就職するにつれて、自分が属する集団はどんどん均質化していく。小学校だと、「同じ年に近い場所で生まれた」という理由で同じクラスで過ごすことになる。でも、受験や就職という選抜プロセスを経ていくにつれて、知的レベルだったり、性格的特性だったりで、ふるいにかけられて行く。結果的に、自分の周囲には自分と(引いて見ると)そっくりな人間ばかりになって行った。
その上澄みの集団の中で、自分を周囲と比べて、その間の小さな差異を見つけて、「自分とはどういう人間か?」を理解しようとしてきたわけだ。でも、母集団がかなり偏っていたので、そうしてできた自己認識は、随分と偏ったものにそりゃなるよね、という。
かといって、別に、「特定の集団の中での立ち位置」と「社会全体での立ち位置」のどちらが正しい、と言いたい訳ではない。その集団の中で生きていくなら、その集団の中の差異を出さないといけない訳だし。ただ単に、僕は、特定の集団の中での立ち位置だけが全てのように考えていて、視野が狭くなっていたなぁ、という話です。
ポジショニングというか、場所を変えれば、自分の弱みだと思ってたところが、強みにもなりうるし、その逆にもあり得るわけで。位置取りをうまくやれば、いいことが結構ありそうな気がする。そのためにも、自分はどういう人間かを、偏りなく理解しておいた方が有利だろうと思った。自己認識が歪んでいたら、うまいポジションを取れるわけもない。敵を知り己を知れば、みたいなやつです。

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