燃え立つようなモテへの渇望を

あえて例外の多い一般論を言うと、モテないモテない、とずっと言っている人は、結局モテたいと思っていない。

「いや、モテたいよ!」という反論には、「あなたは、心の底から燃えるようにモテたいと渇望しているか?」と聞き返したい。

モテたいといいながら、結局は、「どこかに僕のことを好きだと言ってくれる女性が現れないかな~」「そのために苦しい思いはしたくないけど」「まあちょっと散髪にいったり、ちょっとジムにいったりするぐらいはしてもいいけど」「親方!空から僕好みの女の子が!」みたいな、生半可な覚悟なのではと思う。

言ってしまうと、そういう人たちは、結局、「タダでもらえるモテ」が欲しいだけで、本当の意味で、代償を払ってでも、自分が大事にしているものを捨ててでも、本当に心の底からモテたいと思っていない。これは断言できる。

そういう奴らは、モテたいけれど傷つきたくないから、女性にカッコ悪いところは見せようとしないし、見た目を変えようと週に4,5回、ジムに通って1年間トレーニングに励んだりしないし、やせようとしてパサパサの鶏むね肉を毎日食べようとはしないし、死ぬほど働いて金を稼いでモテてやろうともしないし、色んな出会いを求めて街に繰り出したりもしないし、振られても振られても何度も立ち上がるガッツもないし、バカみたいな内容のモテ本を読み漁って考えようともしないし、どこかで聞きかじった歯の浮くような台詞を無理して吐いて、スベりながら自分なりのコミュニケーション方法を探そうとする勇気もないし、合コンの後に友人に真剣にダメ出しを求めたりもしないし、モテない理由を自分の中に探して毎晩枕を涙で濡らす勢いで自己批判もしないし、恥を忍んでLINEを送りまくることもしないし、頭を下げて友人に「誰かいたら紹介して!お願い!」ということもしないし、頑張っても頑張ってもフラれて絶望することも怖いからそもそも頑張ろうとしないし、「女性に慣れてないからダメなんだ」と思って、とにかくハードルを下げてても誰かと付き合ってみよう、何か見えるものがあるかもしれない、と、トライもしないし、断られても「そりゃそうだよね」と理由がつくような、保険を掛けた告白しかしないのだ。

もし本当に、モテたい、変わりたいと思うのなら、大学を卒業しても相手がいたことがなかった人間は、自分が出遅れていることを自覚するべきだと思う。

一人も付き合ったことない、という人間は、ドラクエで言えばレベル1である。レベル1なのに、身の丈に合ってない夢を見る。

「あ~竜王倒せないかなぁ~」

とか独り言を言いながら、ひのきの棒を振り回している。できるはずがないのだ。

レベル1の勇者が何もせずひのきの棒を振り回している間に、周りの冒険者やモンスターは、年がたつにつれてどんどん強くなっていく。自分の能力は相対的に落ちて行くのだ。そんなところからロケットスタートでモンスターを倒せるはずがないのだ。

モテるのだって、普通の問題解決と同様、一発逆転なんてないと思う。結局レベル1の勇者にできるのは、自分のレベル、装備を見直して、コツコツとスライムを狩るところから始めることだけだ。

いや、確かに、同期の勇者はレベル30ぐらいになって、色々なモンスターを狩りまくっているだろう。それを見ていると辛くなるのは分かる。装備もうらやましいし、能力だって高くてうらやましい。あんなふうにやれたらなぁと思うことだろう。

でもあなたはレベル1なのだ。それに気づいて、できることから始めるしかないのだ。

結局、レベル1の自分に向き合って、レベルを1,2,3,4,5…とレベルアップして、武器と防具を必死にかき集めて、それでやっとファーラットを倒す。「なんでこの年になって、初めて倒したモンスターがファーラットなんだよ・・・」みたいな嘆きをグッと飲み込んで、前に向かう。

彼らはそういう辛い道のりを歩もうという覚悟がないのだ。

ハンデを負ったところからのスタートなのだ。だから代償を払う必要がある。燃え立つような強い渇望で、その代償を払って乗り越えなければならない。

もちろん、その遠く険しいモテるための道を、歩むも歩まないも、個人の価値観なので、好きにしたらいいと思う。

ただ、「ああ、竜王倒してぇなぁ~」と、「冒険しているフリをしながら、何もしていない」勇者になるのは、怠惰と欺瞞でしかなくて、自分で自分に嘘をついていると思う。それでいいなら勝手にすればいい。

「今更スライムなんて…」「銅の剣をこの年になって買うなんて…」

と思うかもしれない。今更そこからは始められないのかもしれない。

でもしょうがないじゃん、あなたはレベル1の勇者なんだから。

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