池上彰の投資特集に見る日本社会の課題と有望な投資アイデアに関する考察

2021年1月23日に、「池上彰のニュースそうだったのか!!」で、投資が特集されたと聞きました。池上彰さんが、NISAだのなんだのについて話したみたいです。

となると、気になるのは、彰さんが、いや、アキラが、どんな投資をしてるかですね。

アキラのポートフォリオが気になります。

アキラ、100%株なんですかね?それとも、アキラ、100%キャッシュなんですかね?

それとも…

そんな妄想を膨らませて、短編小説を書きあげました。それでは聞いてください。

※実在の人物とは一切関係がありません。名前は偶然の一致であり、パラレルワールドの出来事です。

※ということで、タイトルは釣りです。


「リスクテイカーアキラ」 著:ぶるいぬ

「$NIO!$NIO!!$NIO!!!いぃーいトレンドですねぇ!!いぃーいトレンドですねぇ!!!!」

アキラの目はこれでもかと見開かれ、真っ赤に充血していた。全財産をNIOに入れているのだ。無理もない。地上波では見せられない、彼のもう一つの姿がそこにはあった。彼は、独り言と言うには、あまりにも大きな声で叫んだ。

「”リスクを取った人だけが、リターンを得ることができるよ”、っていうことなんですねぇ!」

「時代はEVなんですねぇ!テスラの次はNIOがくる、そういうことなんですねぇ!」

全身は強張り、マウスを握る手は震え、モニターをのぞき込む目は、ギラついていると表現されるそれだ。ブルーライトに照らされた顔が、暗闇に浮かぶ。

アキラは相場に、蒼く、焼かれていた。

ーーー

「カーット!カメラ止めて!」 ディレクターの声が声が響く。

スタジオのひな壇では、演者の一人である激団ヒトリが据わっている。彼は、アキラをちらりと一瞥し、そしてすぐに視線を逸らした。特段驚く様子もないようだ。

ヒトリの落ち着いた様子とは裏腹に、ディレクターの声でスタジオの空気は張り詰めていた。

「困りますよ池上さん!”NISA枠は全額NIOに投資しましょう”なんて、地上波で流せるわけないでしょう?一体どうしたんですか!台本通りやって下さいよ!」

スタジオ中の視線がアキラに向けられる。しかし彼は俯いたままだ。視線は机の下に向けられている。

「池上さん!聞いてるんですか?ねぇ、人が話してるのにあんた!」

これはまずいと思い、ひとりが止めに入ろうと立ち上がった時、すでにディレクターはアキラに詰め寄っていた。業を煮やした彼は、アキラともみあいになった。そのはずみで、アキラの手元から何かがこぼれ落ちた。音を立てて、スマートフォンが床に落ちた。液晶には、コインチェックのアプリが映し出されていた。

まるで目の前にドッグフードが転がったときの飢えた犬のように、アキラはスマートフォンに飛びついた。その人間の奇怪な四足歩行姿に、ゲストの女性アイドルは、見てはいけないものを見たかのように、口元を手で覆う。

アキラは必死にスマートフォンを手に取り、目まぐるしく変化するビットコインの価格を食い入るように見入る。目玉が液晶に当たりそうだ。周囲に一瞥もくれず、食い入るように見入る様に、さきほどまで怒っていたディレクターすら、茫然としている。

静まり返る中、ヒトリが口を開いた。

「一回収録止めましょう。30分休憩にしましょうか。池上さんとは、僕が話をします。」

スタッフたちに促され、演者が不安げな表情のまま、ぞろぞろと楽屋へと帰っていく。まだスマートフォンを手放さないアキラにヒトリは近づき、耳元で囁いた。

「熱くなりすぎましたね」

アキラの反応はない。

「そういえば、どうですか、NIOの調子は?」ヒトリの口元が左右非対称に緩む。

NIOという言葉を聞いて、ピクリと軽く痙攣したアキラは、やっと真横にいるヒトリに気が付いた。

「大丈夫ですねぇ」

ぽつりとアキラは答え、更に言葉をつづけた。

「すぐとりもどせるんですねぇ!トレンドはフレンド、そういうことなんですねぇ!」

それを聞いたヒトリは、口元に笑みをたたえたまま、2度、深くうなづいてから、アキラの肩を軽く叩いてこう言った。

「お金、返せなかったら、どうなるか覚えてますよね」

―――

それから1年と7カ月が経った。テレビの中から、明るい声が聞こえる。

「さて、”激団ヒトリのニュースそうだったのか!!”の時間です!」

ヒトリは、ゴールデンタイム用の笑みを口元にたたえて言った。前任者から番組を引き継いで以来、しばらく経ち、ずいぶんと司会業も板についている。

「今日の特集は、仮想通貨にハマる中高年問題です。こちらのVTRをどうぞ!」

映し出されたのは中年男性の顔だった。身元が分らないように、ボカしが入っている。なぜ仮想通貨にのめりこんでいったのか、なぜ大損をしてしまったのか。インタビュアーにマイクを向けられた彼は、加工された音声でこう言った。

「いいトレンドだと思ったんですけどねぇ…」

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以上、「リスクテイカーアキラ」でした。ありがとうございました。

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