売り時は難しい
トレードにおいて、売り時って一番難しいんじゃないか、とすら思う。
色々と調べてみたものの、「これが一番いい」というわかりやすい答えはなくて、さまざまな手法がある中で、裁量で使い分けたり、システム的にバランスをとって運用したりしているのが実情なんだと思う。当たり前ですけど。
ここでは、どう売るか?について色々な手法があることを概観、紹介したい。
守備的に売る
まずは、下落時に売る方法だ。最初に損切ラインを決めて、上昇に合わせてそのラインを引き上げる。引き上げ方も色々あるので、ざっと紹介だけしてみる。
・移動平均線の下 ※1
・直近安値の下 ※1
・トレンドラインの下 ※1
※1:ウエンスタインの本に詳しい。以下その本より要約を紹介↓。
・タイムストップ※2
→動きがなければ売っちゃう。
・その他近代的ストップ※2
—–シャンデリアストップ
—–パラボリックストップ
—–セーフゾーンストップ
直近高値から○%で売ったり、勢いが衰えてきたら売ったり、色々ある。ググってみてほしい。
etc..
※2 エルダーの「利食いと損切りのテクニック」に詳しい。
守備的な売り方は、保有期間が比較的長期の場合に、相性がいい売り方だと思われる。時間をかけて、大きく伸びていくときに、小さい利幅で満足せず、大きくとろうというやり方といえる。ただ、この中でも、引き上げ方がよりタイトなほど時間軸短め向けとなる。
攻撃的に売る
株価の上昇時に売りこむ。攻撃的に、というのはJack氏の「トレードを始めるときに知ってたらよかった15のこと」というスレッドから取ってきた。
“14)Sell offensively into strength”らしい。
12)Moving Averages primary role is to help determine the trend of the market.
13)Always trade with the trend.
14)Sell offensively into strength.
15)Don’t let a winner turn into a loser.
— Jack (@alphacharts365) September 2, 2020
実際、数日~数週間オーダーの短期トレードをしていると、「下がったときに売る」だと、なかなか利幅が取れない。ある程度のボラティリティが高い銘柄に乗っているので、5%とか10%くらいはすぐ下がってしまう。もともと10%程度上昇していたところに、10%下げたところで売っていると利益がでない。なので、短期トレード程、上げてる時に売り込むのが大事になる感覚がある。ここが短期トレードの肝じゃないか?と思っている。
また、これは勝手な推測ではあるけれど、ミネルヴィニ氏も、利確はせいぜい20%〜30%くらいで、さほど利幅は大きくとってないのでは?と思っている。たまに彼はポジションを公開しているが、結構コロコロ変わっている。著書だと、長期にわたって凄く上げ続けたチャートとか載ってるから、長期で持つのかな?と思ってしまうが、そのチャートは、高PERでも伸びしろあることを示したり、自分の凄さを示したり、という目的をもって載せてるだけでは?と思う。
以下のようにミネルヴィニ氏自身も、”I always sell too soon.”と言っている。以下は日之出氏の訳。
『私の基本的なルールは、絶対に底値で買わないし、必ず早く売る。これはトレンドに沿って売買し、株価が短期的に強含めば売り、良い状況のうちにポジションを閉じるからだ。結果として大きなドローダウンを抑えることができる。』
⇒ミネルヴィニ氏は著書の印象とは異なり、利食いは相当早い https://t.co/X3DGfjJ6Dq
— 日之出 (@HinodeShip) October 22, 2020
で、実際の売り方としては、色々やりようはあるけれど、
・目標とした利確目標に来たタイミングで売り込む。
・急騰した際に売り込む。
・MACDの傾きが下がったら売る
・抵抗線のところで売る
・抵抗線のダマシのブレイクのタイミングで売る
・ブレイクアウトから上昇が止まったときに売る(下げだしたら売る)
etc…
色々あると思う。
ハイブリッド型
攻撃的に売り込むか、守備的に売り込むか。どちらにもいいところと悪いところがある。
ミネルヴィニ氏の著作を見てると、迷ったら半分売れ、という話が出てくる。たとえば、半分は目標価格で売って、残りは引っ張るというのもあるだろう。
他にはエルダー氏の「利食いと損切りのテクニック」だと、こんな一節がある。
“マーケットが穏やかで規律的なときは、トレーダーは最初の利益目標とストップを使ったほうがいい。マーケットが協力な動きをみせ始めたら、トレーダーはトレイリングストップに切り替えてもいい。”
このあたりは、裁量的に両者を使い分けよう、という話だと思う。
また、先ほど紹介したJack氏は、3つに分けて利食いをすると言っている。1回は+5%で、2回目は+20%で、3回目は長期にわたって持つ。彼は自分のことをハイブリッドトレーダーだと言っており、短期の利益、スイングトレードの利益、ポジショントレードの利益、をそれぞれ取ると言っている。
売り抜け手法の紹介動画。
買ったポジションを3分割して、上げているときに3回に分けて売る。まず+5%で。次に+20%で。残った1/3はTrue market leaderだったケースに備えて走らせる。大きな損失を抑えながら、大きな利益を狙うことができる。
Risk Management https://t.co/HD2gTjqtx8 @YouTubeより— ぶるいぬ (@blblinin) October 11, 2020
That really depends on your personality… for me I am a hybrid trader. I take a quick short term profit, a swing trade profit, and a position trade profit by selling in 1/3 increments
— Jack (@alphacharts365) December 1, 2020
おわりに
以上のように、大きく分けると、攻撃的な売り、守備的な売りの2種類があり、どちらがよいかは、一概には言えない。短期なほど、攻撃的に売り込むほうが重要で、その代わり長期にわたって上げ続ける銘柄を見逃してしまう。長期なほど、守備的な売りが良くなるだろうと思う。
その使い分けも、裁量的な方法から、システム的な方法と両方ある。
売り時は、マーケット全体の方向性の読みも絡んできて、トレードスキルの中でも一番難しい分野のように思う。もっといろいろ勉強してみたい。
以上です。Twitterをやっています。よろしくお願いします。
メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐のARKを除かなければならぬと決意した。メロスにはファンダメンタルズがわからぬ。メロスは、テクニカル派のトレーダーである。チャートを読み、ローソク足と遊んで暮して来た。けれども損失に対しては、人一倍に敏感であった。
— ぶるいぬ (@blblinin) December 24, 2020
株クラ「投資本何読んでる?おいらっちオニール本なんやけど~www」
俺「ゾーン」
株クラ「…え…!?」
俺「ゾーンを要約しました」
株クラ「…う、うわああああ(イスから転げ落ちる)」
俺「"怖いと感じていれば、自分は怖いのである。"」
株クラ「…う、あ…流暢な…ゾーン(足が震える)」 https://t.co/zL1kVoFGO2— ぶるいぬ (@blblinin) December 23, 2020