愚痴聞きマシーンになったら、妻に脆弱性を突かれた話

僕は妻の愚痴を聞くのが下手だ。いや、「下手だった」と言うべきだろう。なぜなら、結婚して二年、僕は愚痴を聞くのが上手になったからだ。もはや愚痴聞きマシーンと化した僕に、怖い愚痴などない。パートナーの愚痴を聞くのが苦手という人に向けて、このブログをささげたい。これは、不器用な男が愚痴を聞けるようになるまでの物語である。

さて、僕は本当に愚痴を聞くのが下手だった。ただ聞くことができず、どうしてもアドバイスをしてしまっていた。どうやらそうじゃないらしい。必要なのは、「同意」と「共感」。「反論」と「解決策」ではないらしい。度重なる衝突を経て、僕は愚痴を聞くときに、自分の心を押し殺し、「同意」と「共感」を前面に押し出すことにした。

さて、押し殺そうとするものの、たまに抑えられないことがあった。それは、誰かの能力不足を責めるような愚痴だ。責められている側に感情移入してしまい、耐えられなくなってしまうのだ。しかし、このままではいけない。次の策に打って出た。

僕は、愚痴を聞くときは自動応答モードに入ることにした。まじめに受け止めるから辛くなる、聞かずにうなずけばよい。反射的に、相手の言ったことをそのまま繰り返す。

奥さん「この前上司がさ」
私「上司が(自動応答)」
奥さん「〇〇なのよ辛くない?」

私「辛い。かーいそう。(自動応答)」

全く内容を理解せずに、相槌を打てるようになった。相手の言った言葉を繰り返し、感情に合わせた合いの手を入れる。この技を身に着けた僕は無敵だった。すべての愚痴を無力化することに成功した。しかし、たまにこの技は誤作動を引き起こすことがあった。

僕「ひどい。かーいそう」
奥さん「かわいそうやろ。そんで、お昼ごはんの時もさ…」
僕「お昼ごはん、おいしい(自動応答)」

奥さん「?!」

このように、出てきた単語を理解せずに復唱するため、誤ったリアクションを繰り返すことがあった。奥さんもその様子に気づいたのか、自動運転モードに入ったとみるや否や、その脆弱性をついてくるのだ。

奥さん「〇〇で大変よ」
僕「大変、かーいそう」
奥さん「・・・」
奥さん「バッグ、買ってあげる?」

僕「バッグ、買ってあげる(自動応答)」

たまにこのように、愚痴自動応答システムの脆弱性を突かれながらも、僕は愚痴を聞くのが苦ではなくなった。周囲の既婚者の話を聞いていると、程度の差はあれど、皆そのような技を身に着けているように思う。お悩みの方は、是非、参考にしてほしい。
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