妻がおすすめしてくれた映画。
主演はレオナルドディカプリオ。精神病を持つ凶悪犯を収容している島で、女性の囚人が脱走した。その調査のために保安官であるディカプリオが乗り込んでいく話。
///以下ネタバレあり////////////////////////////////////
オチとしては、ディカプリオ自身がその施設に2年前から収容されている精神病の患者だった、というもの。現実と向き合うのを避けるために、話や人格を作り上げていた。
この映画には、精神病患者の主観を体験できる面白さ、がある。なんでこの映画は、こんなに没入感が強いんだろう?と考えて気づいたことがある。
劇中のシーンは幻覚と現実が入り混じっているんだけど、
1.あきらかに現実とわかる描写
2.あきらかに幻覚とわかる描写(例. 死んだ奥さんが見える)
3.現実のように見えて実は幻覚の描写(例. 脱走した女が洞穴に隠れている)
が入り混じっている。
外から見ている僕らも、2があるせいで、3を幻覚だと気づけないのだ。
この映画では、死んだ奥さんが、繰り返し幻覚として見える。
見ているこっちは、2を見て「それは幻覚だぞ、気をつけろ」と思う。その時点で、”この映画は、幻覚ならあきらかに幻覚だと見せる映画だ”と、無意識に思い込んでしまう。
そのせいで、施設から脱走して洞窟内に隠れている元精神科医が、「精神病に仕立て上げられて、ロボトミー手術を受けさせられるぞ」とディカプリオに注意してくるシーンを見ても、幻覚だと気づけない。
明らかな幻覚が、いい見せ球として効いているのだ。
この効果もあって、見ている僕らは、精神病で現実と幻覚の区別がつかないディカプリオと同じ視点に立つことができる。
他の映画やドラマだと、幻覚は幻覚とわかるような表現をしていることが多い。でも、幻覚を見ている本人は、本当に現実との区別がついていないわけで、それはリアルな表現ではない。
本当の幻覚を見るのに近い体験ができる、という面白さがあったと思う。
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