超訳「ゾーン」 ~もし関西のおっちゃんがダグラスの「ゾーン」を読んだら~

本の紹介

トレード心理本の名著として名高く、かつ難解と言われる「ゾーン」を読んだので、そのポイントを要約したいと思います。

ゾーン — 相場心理学入門

それにしても難解でした。言い回しがクドくてなかなか読むのが辛い。同じような体験をした方も多いのではないでしょうか。

今回は、「ポイントをズバッと言ってくれる関西のおっちゃんが、マークダグラスのゾーンを読んで、内容を教えてくれたら」という妄想を膨らまして、要約を書いてみました。

多くの情報が抜け落ちているのと、私のフィルターがかかったものですので、間違いはあるかと思います。あくまでも本書を読むのをお勧めします。ただ、読む際の補助線としては、十分機能するのではないでしょうか。

※本当の骨の骨だけ言えば、「相場って確率的なもんだからそれを受け入れようぜ」って話だと理解してます。

要約

今は大多数のトレーダーはテクニカル派やわ。ファンダだけのトレードで勝つんは難しいから。テクニカルは「これが起きたら次こうなる可能性が高い」を見る手法やな。ただ、手法よりなにより、自分自身の心理分析が大事や。だって、動向を予測したものの、思った通りに動けへんトレーダーって多いやろ?

結局、最高のトレーダーは他人とは違った考え方をするねん。これは断言できるわ。あいつらは、規律、集中力、自信があって、恐怖や売買ミスに影響を受けへん。他の大多数のトレーダーは金銭的、精神的に苦しんでる。根本の理由は、心の底からリスクを受け入れられてへんからや。

ずっと勝てる奴と、そのほか大勢の差は、「恐れない」ってことや。これに尽きるとホンマ思うわ。ミスのうち95%は恐怖から来てる。みんな、ミスしてから「なんであんなことしたんやろ?」って思うねん。これは恐怖心からやで。手法じゃなくて、心理的な面が問題で勝てへんねん。

トレードってホンマに自由すぎるからなぁ。例えば子どもやったら親がブレーキかけてくれるけど、マーケットにはそれがないんよ。自分でブレーキかけな一撃で死ぬで。自由すぎるけど自由に暴れると死ぬ……つらいわぁ…。自分が100%責任をもって、自分で規律をもたなアカンわけ。自分自身を支配せな。

みんなの勘違いを指摘するで。ひとつめ。「いい手法や情報があれば勝てる」。これ間違いやで。大事なんはメンタルや。いくら手法が良くても、ブレブレやったら勝てるわけないやん。思考法を直さなあかんわ。恐怖心がない「ゾーン」に入らなあかん。

ふたつめ。「僕は損を受け入れてる」。これ大体甘いわ。口だけでホンマには受け入れてない。損した時に、マーケットに原因を求めたりするやろ。いやいや、子どもちゃうねんから。マーケットに責任転嫁すんなよ。結果は全部自分が招いたんやと信じるところから始まるんや。マーケットは中立や。

みっつめ。「自分が正しいと証明するためにトレードする」。これもアカン。勝たな、負けられへん、証明せな、みたいなやつ。これ勝利に集中できてなくて、気持ちがラクになることを重視しちゃってるわけ。
まとめ。自分で責任を取って、マーケットに責任をなすりつけず、勝利に集中しよか。

一つ言うておくと、プロのトレーダーは、みんなみたいに精神的に苦しんではないで。リスクをホンマに受け入れてるから、マーケットは敵やないし、恐怖もない。勇気の必要もないし、ストレスや自制心の必要もない。そんな精神状態で、マーケットの動向から優位性を見出してトレードしてるんや。

トレードって精神的に辛いよな。リスクを受け入れたってみんな口では言うけど、ほんまは心の底からは受け入れられてへんねんで。マーケットにああせい、こうせい言うても無駄や。人生の他のことならそうできるかもしれんけど、相場では無理や。乗るしかないんや、相場の波の行くままに。

トレードの精神的な辛さに対応するには、どういう仕組みでそうなってるんか理解するんが大事や。理解できたら、あとは心のバグを修正するみたいなもんで、一気に楽になるはずや。

例えば、一回犬に噛まれた男の子がいたとする。その子は経験から、どんなかわいくて優しい犬も怖がるはずや。いや、これって変やんな?でもな、トレードする時にビビってる君も、この男の子と同じようなもんやで。前負けたからって全部そう見えるのは変や。いろんな機会があるのにな。過去のトレードは関係ない。

この男の子の恐怖心はどこから来るんやろか?犬やろか?いや違うなあ。「昔噛まれて犬を怖いと思ってる自分」から来るんや。これはトレーダーでも一緒や。トレードへの恐怖心の根源は、マーケットにあるんやない。マーケットに恐怖心を持ってる自分からくるんや。マーケットは鏡や。中立なんや。

連敗した後にいつものように仕掛けず見逃してしもたり、連勝した後にいつもより大きく賭けてしもたことないか?その時、「マーケットがそういうサインを出した」と思ってないやろか?ちゃうねん。マーケットは中立やろ?危険を連想したり、儲けを連想する自分の心が、そのミスの根本の原因やねん。

大事なんは、「マーケットではなんでも起こりうる」のを理解することや。みんなこれを理解できてへん。「絶対こうなるはず」と思ってるから、システム的に利食いも、損切りもせーへんのや。どこかの知らん誰かが売買したら価格は変わる。全て予測するのは無理や。絶対はない。確率的なもんなんや。

で、トレードは確率的なもんやけど、一貫した収益を生めるんや。例えばカジノの胴元は、ランダムなギャンブルから安定した儲けを得てるやろ?あれと一緒や。1回1回のトレードの結果はランダムやけど、ルールに優位性があってそれを何度もやり続ければ、一貫して儲けることができるんや。

大事なこと言うで。いくら似てても、全く同じトレードはないんや。だから、確実に結果が予測できるトレードなんて絶対にない。確率的思考を身に着けるんや。自然な考え方やないから難しいけどな。これが身についてないから、損切ラインを決めなかったり、失敗してイラついたりする。コイン投げで外してキレてるみたいなもんや。アホみたいやろ、そんなん。

期待を外すんは辛い。苦痛で、不都合な情報が見えんくなるし、自分の期待に従う情報を探してしまう。でもこれが、チャンスを見逃してしまう原因になってるんや。期待してマーケットを見るから、受け取る情報が歪んでメッセージを受け取れへんし、自分の期待に固執して規則を破ってしまうんや。規則に厳格に、期待に柔軟に、や。

マーケットから分かるのはせいぜい確率的な有利さや。絶対はない。そう思えば気楽やで。感情の揺れやミスは、心の底から「結果は不確実や」と思ってないから起きるんや。ほんまに心の底から、「わからん」と思ってたら、損切りは躊躇するはずがないし、高値で売れなくて落ち込むはずもない。完璧な結果を求めないんや。

トレードするとき、状況の認識は歪んでまうんや。その原因は、過去の経験から作られた信念や。「こういう時はこうなるぞ!」と信じ込んでるから、チャートを見たらそれが真実に思えてしゃーなくなる。でも実際は、状況によって、そうなるかもしれんし、ならんかもしれんのや。絶対やと思ったらあかん。

ここまでの話を整理するで。どの瞬間も唯一無二や。だから、完璧な予想は絶対無理。できるのはせいぜい、「Aが起きる可能性がBより高いなぁ」ぐらいのもんや。でもこれで充分や。有利なAに、何度も何度もかけ続けたら、トータルで見たら勝てるんや。そやのに、100%勝つのんを狙って、色んな証拠を集めよるから、フォームがぶれるんや。

ゾーンに入るまでのステップについて話するぞ。まず心理的な仕組みを理解する。すると、リスクを受け止められて、マーケットを苦痛なく見れて解釈できる。すると、値動きを読む材料を客観的に全部見れて、学んだことを活かして優位性を見つけられる。次を読もうとするんやなく、平穏な心で、その瞬間の流れを見てる状態や。これがゾーンや。

ゾーンの仕組みやメリットは分かってくれたと思う。でも、分かったとできるは違うからな。確率的思考は特にそうや。「分かる」は、「できる」の最初のステップでしかないんや。「できる」までには訓練がいる。次は、できるようになるまでの話をしたい。そのために信念について考えてみよか。

純粋な記憶が、概念と結びついて生まれるのが信念や。例えば、親に愛されて育った幼児は、その体験を生々しい記憶として覚えてる。で、「素晴らしい人生」みたいな概念を知って、記憶とを結び付いて「信念」ができるんや。人は常に自分の言動を通して、信念を表明してるともいえる。

例を通して、信念って何かを考えよか。昔テレビで、「お金無料」と看板を立てて、お金を配る企画があってん。で、道行く人に、「お金いりませんか?」と人に聞いても「結構です」って断られてたんよ。これって「タダのお金なんてない」という信念が、「こいつ頭おかしい」という認識につながったってことよな。

でももし、物乞いをするホームレスのように「タダのお金はある」って信念があったら、お金もらえてたわけやんな。「25セントください」いうて。ある人は、「頭がおかしい人がいた」という真実を得て、ある人は「25セントくれるひとがいた」という真実を得たってこと。
色々な真実があるな。つまり、信念によって、その人にとっての「真実」ってのは何とでもなるってことよ。真実なんて、信念次第なんよ。だから、もう純粋に、自分にとって有益な信念を選んだらええんちゃうかな。

でも、信念って簡単に変えられんよな。信念に背くぐらいなら拷問や死に耐える人だっておるし…。ま、でもできんことはない。サンタ信じてた君も、もう信じてへんやろ?もしトレードに不都合な信念、例えば「完璧に予測せな!」とかを持ってても、変えようと思ったら、信念は変えられるんよ。大丈夫や。

信念は出たがりなんよ。持ってたら自然と言動に出てまうから、トレードにも影響がある。「トレードは確率的」と頭では理解しても、昔身に着けた信念では「予測し切らなアカン」と思ってたら、結果に恐怖を感じる。まだ恐怖を感じるなら、積極的に、瞬間は唯一で確率的だ、と信じる心を鍛えなアカン。

あとは、信念って気づいてなくてもあるし、言動に出るから気をつけなあかん。例えば車の運転とか無意識にできるけど、色々勝手にやってるやろ。あれと同じノリや。特に、無意識に負けにつながるような信念が染みついてるケース。例えば、「お金は汚い」とか「自分は成功できない」とか。これアカンで。

最後にトレーダー的な思考法の身に着け方を話すで。まずは機械的に行動できるようにしたいな。つまり、システムを完璧に執行するマシーンになる感じや。大事なんは、「俺は一貫して成功するトレーダーや」って信念を確立することや。これが一番のエネルギーになる。間違いない。ちなみに、最終的には直感に従って行動できるトレーダーになれるといいけど、これはその先の話やな。

一貫して勝てるトレーダーになるには、強い一貫性への思いを持つんや!言い訳したいとか、いいかっこしたいとか、ミスを認めたくないとか、そういう理由は全部捨てて、一貫性を心から求めるんや!それが今まで学んできた確率的思考を中心とした考え方への信念を生むんや。

一貫した結果を残すには、ミスをなくすんが重要や。ミスは、振り返って成長するために必要なもんやと、前向きに捉えるんがめっちゃ大事や。この瞬間だけじゃなく、「一貫して」成功するって誓ったやろ?そう信じてるなら、この瞬間のミスは一貫した成功のために必要やと心から信じられるはずや。

信念を打ち立てるには、結局は何度も何度も、意識を向けなおすしかない。例えばランニングとか、最初はやらない言い訳がめっちゃ湧いてくるやん?でも、そのたびに、「俺はランナーになるんや」って思いに意識を向けなおし続けるんや。最終的にはしっかり信念ができて、自然とできる状態になるはずや。

ちなみに「一貫して成功する」を分解した、最初のステップは「客観的に有利な勝負だと確認する」や。つまり、うぬぼれとか苦痛の回避とかエゴとか、そういうの一切なしで、中立にマーケットの情報を見て、「こうなる可能性が高いぞ」というのを見る、ってことや。歪みなく情報を見て判断する。まずこれをやるって決心してくれ。

最後は実戦や。トレードシステムを用意して、一切裁量を入れずに、機械的に20回トレードしてみてくれ。その時に、今まで伝えたことに反するような気持ちが起きないか自己監視してくれ。気づくたびに意識して、自分の目的に集中しなおすんや。トレードはスロットみたいな確率ゲーやと実感できるはずや。

話は以上や。ほな、幸運を祈るで。まあ、実際はしっかり技術を習得したら、幸運なんていらんねんけど。ははは。笑えるわ。

で、結局?

・ゾーンって結局何?どういう心境
・どうやったらゾーンにいるか分かるの?

あたりについて、考察を書きました。よろしければこちらもどうぞ。↓

ゾーンの境地はどこにあるのか? ぶるいぬ日記

おわりに

以上です。Twitteやっていますのでよろしければどうぞ。

ゾーン — 相場心理学入門

最終章、の方が読みやすいという声も聴きます。

ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスの最後のアドバイス

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