死にたくないと思える夜に

安楽死がもし合法だったら、僕はもう生きてなかったかもしれない。

僕が大学生の頃は、まあまあ、若さもあってか起床もあってか、生きるのがしんどくて、「朝起きたら死んでないだろうか」とか期待しながら、酔いつぶれて布団に入っていた。

そんなこんなでそれから10年。僕は30歳を過ぎて、死にたくないと思ってしまう。朝起きても生きていたいと思う。また奥さんにも、娘にも、また会いたいと思う。明日も生きていたいと思ってしまう。

ダラダラと生きてきたら、少しずつ人生がよくなってきて、自分の人生に、執着が生まれてきたように思う。今あるものを手放したくないし、不思議なことに若いころとは180度変わったように思う。

色々なことが怖くなる。自分に何か起きることも、娘に何か起きることも、奥さんに何か起こることも、とにかく防ぎようがないけれど、何か起きることが怖くなってしまう。コントロールできない範囲が、自分だけだったのが、家族まで、どんどんと広がってしまう。不確実な範囲が広がっていく。

健康が大事だとか、生きてるうちはいいことあるさとか、ありきたりな言葉も、長年生きてきた人たちが、自然と辿り着く境地というか、価値観みたいなものなのかもしれない。

とんがった人間を気取って生きてきても、年を取るにつれて、どんどんどんどん、みんなが言う価値観に丸まっていく。イキっていても、まあごくごく普通の人間なんだと思う。別にそれでいいんだけど。

明日も元気に生きていけるように、と祈りながら眠ってしまう。みんな元気でいますように。

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